2016/11/12

「サイコム Silent-Master Pro Z170」について・その2

前回
「サイコム Silent-Master Pro Z170」について・その1
の、続き

なんだかものすごーく間が空いてしまって今更感全開だけど、一応レビューの続きを



大容量SSDが大きく値下がりし、1TB級のものに至っては約3万円と、
一般消費者にも十分に手が届く価格帯となり、

CPUの分野では、Intelが新アーキテクチャ・Skylake-refresh こと、
Kabylake に基づいたモバイル向け製品を市場投入した一方、
AMDもまた、新アーキテクチャ・Zen に基づく新CPU、 Summit Ridge の投入を間近に控え、

グラフィックボードの分野では、
GeForce・GTXシリーズの主力製品が本格的に1000番台へと移行
そしてとうとう GTX750Ti にも本命の後継製品、 GTX1050Ti が登場・・・と、

およそ1年で、いろいろと変化のあったPC界隈

2016年11月12日の時点で、
サイコム・Silent-Masterシリーズに標準装備されているグラボは、
カタログ上では
ASUS STRIX-GTX750TI-OC-2GD5
GeForce GTX750Ti 2GB (OC)
となっていますが、すでに在庫切れの表示
それほど変わらない価格で、1050Ti搭載の各モデルが選択注文可能になっていますね

当PCの導入からまもなく1年
性能面に関してはもはや書くことが無いので、
導入時のちょっとしたチューニングと、ケース内の清掃、
使用した上での感想について、軽くまとめておこうと思います



導入当初は、前後2つのケースファンがうまく回転しませんでした
起動直後はピクリ、ピクリと小さく動くのみ
指で軽く勢いを与えてやるか、PCをしばらく使用していると回り始めます

メーカー窓口に相談すべきか悩みましたが、
とりあえず各説明書とペン・メモ紙を手に、サイドパネルを開けてチェックを開始

マザーボードはオーバークロックをするつもりが無いため、
チップセットを標準のZ170からH170へとダウングレードし、
GIGABYTE社の GA-H170-D3HP をチョイスしていたのですが、
こいつ、ケースファンの接続端子にも4ピンが奢られていて、
PWM方式での制御が可能となっていました

一方、ケースファンとして装備されているNoctua製 NF-A14 ULN
および NF-S12A ULN は3ピン仕様で、PWM制御には対応していません
回転数を制御するなら、電圧を変化させるしかない

確かブラシレスモーターは、入力電圧を低くし過ぎると回転が止まってしまう・・・
でもって、しばらくPCを使っていると普通に回りだす・・・ということは、
マザーボード内臓のファンコントローラーが、
PWM制御と電圧制御の両方に対応しているのではないか?
しかし3ピン仕様ファンの場合は、
低回転域での制御ができずにファンが止まってしまうのではないか?

UEFIの設定画面を開いて、
「PCの健康状態」→「第1システムファン速度」、
および「第2システムファン速度」の設定を、
「通常」から「フルスピード」へと変更

これで起動直後から、2つのケースファンがきちんと回転するようになりました

オーダーによってファンを3つに増やしているのであれば、
「第3システムファン速度」の設定変更も必要になるでしょう
ここはいっそ、4ピン仕様のファンを購入して、置き換えてしまうのもいいかもしれません



お掃除、お掃除ー

静電気にはくれぐれもご注意を
除電アイテムの装着、もしくはこまめな窓サッシ・ドアノブ・水道蛇口などへの接触を忘れずに
電源ユニットのマスタースイッチはOFFにして、プラグもコンセントから抜いておきましょう

使用環境にも左右されると思いますが、

3ヶ月、掃除をサボるとこうなりました・・・
前面フィルタに関しては、月に1回の清掃をお勧めします

この状態でも吸気能力はそれほど低下していないようで、
光学ディスクドライブなどへのホコリの侵入はありませんでした




こんなものかな

あとはケース後ろ側の、



こういうところにもホコリが溜まります
ハンドワイパーでササーッと拭いましょう


これはケース後部下の、電源ユニット吸気口のフィルタ
・・・まったくホコリが溜まっていません
電源ユニットがセミファンレス駆動対応なうえ、
現状ではシステム全体の消費電力に対して余力がオーバーなので、
起動時のチェック以外ではほとんどファンが回っていないのでしょう

サイドパネルを開き、ケース内の清掃に移ります
前面フィルタの効果で、目立つホコリはほとんどありませんが、




底部やHDD・SSDの上、各ファンのブレードとシュラウド、CPUのヒートシンクなどに、
フィルタを通過してしまった、非常に粒の細かな汚れが溜まっています

やわらかいウエスや綿棒、爪楊枝、細いストローやスプレー式ブロアを総動員して、
拭ったり、掻き出したり、噴いたり吸ったり・・・

1年に1回は、外せるものは外したうえで、
細かい部分の清掃作業をやったほうがよさそうだな・・・
目論見どおり、ケースが大きいので手入れはとてもしやすいんですが、
CPU周辺は直下にグラボがあるので、少し注意が必要です

なお、裏配線用スペース側のパネル内部はキレイなものでした



しかし本当に静かなPCだ・・・
ディスプレイおよび座席とケース本体を少し離しているのも要因のひとつだけど、
アイドル状態でディスプレイがスリープモードになっていると、
ケース右上のインジケータを見ないと起動しているのかどうかわからないほど
もしケースファンをPWM対応品に変更して可変速にしたら、もっと無音に近づくはず

気まぐれにベンチマークソフトで重い負荷をかけてみても、やっぱり静か
負荷そこそこのオンラインゲームを走らせている程度なら、なおのこと静か
扇風機の稼働音や、窓から入る外の騒音、
電気ケトルが沸かしている湯の音にかき消されるレベル
たぶんエアコンよりも静かだぞ・・・エアコン嫌いなもので、併用したことは無いけど・・・

この部品構成(その1を参照)であれば放熱性も十分なようで、
室温が35℃に迫り、時に超える条件下で連日稼働させても
特に問題なく一夏を越すことができました
マザーボードの寿命が少し心配だけど・・・そこは後々対策しようと思います

あー・・・ゲームしたいなぁ・・・
実は基本無料のオンラインゲーム、
いくつかクライアントをインストールしてはみたんだけど、
結局、時間的にも、金銭的にも、体調的にもそれどころではないわけで、
あんまりプレイできていないんだよね・・・

トリシティへの乗車は、移動を兼ねた趣味として成立するけど、
ゲームは見方によっては完全な時間の無駄使いだからなぁ

有限の資源を思いっきり使う行為の快感とか、
チャットで取り止めの無い雑談をすることの楽しさは、
リアルに脳の中に発生しているポジティブな刺激ではあるんだけども・・・ね



まとめ

「かける負荷は軽いが、ホームサーバー兼用として居間や寝室で長時間稼働させたい」
といった、静寂性が必須かつ時間的にヘビーな用途を見込まれている方や、
「そこそこの負荷が生じるソフトを、省電力で静かに楽しみたい」
とお考えのカジュアルなゲーマーさんやDTM愛好家さん、イラストレーターさんなどに、
このシリーズをベースとしたカスタム品はオススメできます

オーダー時の部品選択肢がやたらと豊富でカスタムの自由度が高く、
その他の用途にも比較的容易に対応させることが可能なのもポイントです
というか、Silent-Masterシリーズ以外のサイコム製品にも共通して言えることですが、
特に自作愛好家さんが推すような選択肢をきっちり押さえたメニューからして、
ユーザーがオーダー時に細かくカスタマイズすることを前提に、
各部の価格設定も含めて商品をデザインしている節があります

逆に言うと、パーツにあまりこだわりが無かったり、
大きくカスタムせず標準構成に近い仕様で購入する場合は、
競合BTOメーカーの同等品を選ぶほうが安上がりです
あえてサイコムの製品を選ぶなら、自分が求めているパソコンの性格や仕様について、
ある程度具体的なイメージが抱けるかどうかが、良い買い物をするための鍵となるでしょう
そこから個々のパーツについて調べ、選択注文していくことになります

選択肢が多すぎてチョイスに迷うこともあるかと思いますが、
構成に関してサイコム側へメールにて相談したところ、丁寧に回答していただけました
自分を含めたBTO初心者にとっては、少々取っ付きにくい印象もありますが、
注文の過程が最新のコンピュータ事情についての良い勉強になりましたし、
何より理想のPCを目指して、あれこれ考えながら部品を決めていくのは楽しい作業でした
「将来的に自作PCを組みたい」という方にとっても、教材として適していると言えます

その他、特に静音性能に優れた自分好みのパソコンを調達したいが、
「自作は面倒なので組み立てを代行してほしい」
「半完成品として納入してもらい、仕上げは自身でやりたい」
「とりあえずの仕様で納入してもらい、後々自身でカスタムしていきたい」
といったニーズにも合致するでしょう

※追記
2016年11月13日
一部加筆・訂正