2016/09/25

トリシティ関連動画2本・トリシティ155公式PV&125cc4車種対抗レース

ヤマハ公式のトリシティ155プロモーションビデオを発見したので、記事にしておこう

YouTube
ヤマハ発動機公式チャンネル
TRICITY155 特徴紹介ムービー
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走行性能の解説ばかりで、メットイントランクを含めた実用装備の解説が皆無な点と、
ライダー役の男性がアライのSZ-Ram4(スネル2010規格)を被っているのに、
パッセンジャー役の女性はヤマハYJ-17 ZENITH
(JIS2種規格、韓国ホンジンHJC・FG-JETのリバッジ品)を被っているという点は、
ひとまずツッコまずに置いておくとして・・・

とかく排気量増による最高出力・最大トルクの向上が話題にされがちですが、
俺はむしろ、吸気VVA(吸気バルブリフト量可変機構)の採用による、
アイドル~中回転域までのトルクの厚み増加に期待しています

125の2バルブに対して、155は4バルブ
当然、スロットル全開域の伸びはより爽快なものになっているでしょう
加えて、低・中回転域と高回転域とで吸気バルブのリフト量をそれぞれ最適化することで、
全域でさらに粘り強く、フラットな出力特性に仕上がっていそうだなぁ、と
キビキビと走らせる時だけでなく、のんびりとクルーズしたり、
狭小路をソロソロと徐行するような場面でも、よりストレスフリーに扱えるんじゃないかな?

軽二輪登録となることで、
税制・保険・駐車場確保の面では125よりも不利になるけれど、
このうち駐車場に関しては、125ccまでOKなはずの駐輪場の利用を、
前2輪であることを理由に断られた、という事案をたまに目・耳にすることを考えると、
むしろ堂々と二輪駐車場を利用する口実になる、というポジティブな捉え方もできるな
大都市圏ではその二輪駐車場が少ないのが問題となっているそうだけど・・・

俺は都市高速を利用するようなことがまず無いうえに、
LEDヘッドライトがどーしても気に入らないので買い替えるつもりは無いけれど、
ランニングコストの増加を補って余りあるメリットが見込めるのは魅力だな
ワインディングがより楽しいものになりそうだ

また我が家の近所の道路には、未補修やツギハギ補修、
ガス管・水道管などの入れ替え工事の跡で、
舗装が凸凹になっている箇所がやたらと多いので、
石畳や浅い溝の上を走っても安定している様子のPVを見ると、
決して道路事情が悪くない本邦でも、
この手の三輪車が活躍する場面・余地はあちこちにあるぞ、と思うんだよな



上の動画の関連項目として表示されていたこちらの動画・・・

YouTube
WITH ME MOTOR STATION TV
Z125 PRO vs GROM vs TRICITY vs CRF 【125 BATTLE ROYAL】
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いやー、いくらトリシティのシャシーが優れているといっても、
約50kgの車両重量差、ニーグリップ不可・ハングオフ困難なスクーターの構造、
マニュアルクラッチ+常噛ギア+チェーンに対して、
動力伝達効率に劣る遠心クラッチ+VベルトCVT、
さらにスタンディングスタートじゃあ、
グロムやZ125どころか、CRF125が相手でも当て馬にしかならないでしょー・・・

・・・って、思うじゃない? 少なくとも俺は思った、思ってた
とりあえず見てくれ、50分あるので十分な時間があるときに
まるでモタードみたいな曲げ方だ・・・
あと、絶対的な軽さはやっぱり大正義なんだね・・・

2016/09/24

写真・某空港など

生存報告
・・・って、1日に3記事も投稿しておいて何を言ってるんだか





ここから下は、知人の見送りに某空港へ行ったときのもの






メインターミナルは、
超人混み改装中で激狭閉鎖的空間
の、3連コンボで一発退場と相成りました・・・
これらは古いサブターミナルのほうで撮った写真

この程度の人混みと、採光の具合ならば耐えられる
どこか懐かしい雰囲気、風情があって良い場所なんだけど、
老朽化と新ターミナル建設のため、
10月初旬に閉鎖されることが決定していました
これは残念だ・・・

滑走路端の公園にて



もう少しズームを効かせて、距離感を圧縮すべきだったか・・・?

帰宅途上、休憩のため立ち寄った道の駅にて
バルブ10秒

備忘録:トリシティ・洗車後および水溜まり走行後の要注意点

洗車時、フロント周りに水をかけた際、
右前輪と左前輪のブレーキ機構に湿り具合の差、
延いては一時的な制動力の差が生じる場合があります

この状態でフロントブレーキをかけると、
制動力が強いほうの前輪側へ、ステアリングを回そうとする力が発生します
また前後連動ブレーキを採用しているため、
後輪ブレーキレバーのみを強く握りこんだ場合にも、
わずかに同様の現象を感じることがあります

左右ブレーキ機構の湿り具合が均一に近づくにつれて、
この症状は改善されていきます
洗車後のブレーキテストは必ず実施しましょう
不意の切れ込みを避けて安定を維持するため、
軽い握力での作動から始め、徐々にブレーキを乾かしていきましょう

大抵は20~30km/hからの軽いブレーキングを、数回実施すればすぐに改善します
いきなり強くフロントブレーキを使っても、数瞬クッとハンドルを振られる程度なので、
ほとんど気にならない、あるいは気づいていなかった方も多いそうです
この投稿の初版では「ステアリングを回そうとする顕著な力」、
「急激なステアリングの切れ込みを避けるため」と表現しましたが、
自分の感覚がだいぶ大仰だったようです・・・申し訳ありませんでした

ブレーキディスクにカバーが付いているためか、
雨天時走行中にこのような状態になることは稀のようです(自分は経験がありません)
が、一応、片輪のみが深い水溜まりを通過した際などには、
洗車後同様に注意することをおすすめします

いつまでもこの症状が改善されない場合、
あるいは改善するまでやたらと時間がかかる場合は、
何か異常・故障が発生している恐れがあります
乗用を中止し、目視点検のうえで、購入した販売店へ連絡を取ってください

※追記
2016年10月29日
一部訂正・追記

トリシティ向け後付け屋根が発表(帝都産業:ルーフキット SLR for Tricity)

帝都産業 公式商品紹介ページ
発売は10月下旬

俺自身はあまり興味が無いけど、けっこう需要はありそうだよね・・・
横からの雨粒は防げないのでレインギアこそ手放せないけど、
走行中に前方と頭上からの叩き付けが無くなるだけでもけっこうなストレス軽減となるのは、
以前ホンダ・ジャイロキャノピーに乗った時の体験でよく分かった

他社発の先行製品もいくつかあるようだけど、
メーカー公式サイトに重量が明記してあるものは、これ以外に見つけられなかった

ワイパー付きの標準仕様で 9.9kg
取り付け時に車体側で不要となる部品のぶんを差し引いて 9kg か
重心が上がる点が心配だけど、
これくらいなら極端に操縦性・安定性が損なわれることは無さそうに思える
地味にサイドミラーがスクリーン側取り付けになるのは好ポイントかと

あとは長期使用時の耐候性・耐久性がどうなのかが問題か

スクリーン部分はポリカーボネート製
ルーフ部分は公式発表ではバキュームフォームのABS樹脂、
実際にはABS系の改質樹脂製
ルーフ後端の支持架は鋼管もしくはアルミパイプ、おそらく前者と思われる

これらはヘルメットやバイク本体にもよく使われる素材だけど、
このうちポリカボは高温下では水分と反応して分解しやすく、
また単なるABS樹脂は長時間日光に晒されると劣化してしまう
主に、スクリーンに施されているという両面ハードコーティングの質と、
適切な改質ABS樹脂材が選定されているかどうかが鍵となるはず

ここは実際に購入、装着して実用に供した方でなければわからないところだね
同社発のギア向けルーフキットのレビューも参考になりそう

※追記
2016年9月27日
各部の素材、その他について一部追記

2016/09/16

祝・トリシティ純正互換タイヤ発売の巻(IRC:モビシティ)

前輪は偏平率80%を満たすものが無い
後輪はリア装着指定のものが無い

そんな状況が長らく続いていたトリシティの足回り事情ですが、
このたび、幅・偏平率・ホイールサイズ、荷重指数から速度記号に至るまで、
完全に純正互換サイズのタイヤが発売されました
こいつはメデタイ

メーカーどこ? ピレリ? それともミシュラン?
残念、IRC(井上ゴム工業)でしたー
こんな書き方したら訴訟されるぞ、オイ

公式サイト「IRC MOBICITY SCT-001 シリーズ」
モビシティ」・・・トリシ・・・なんか紛らわしいぞ!?

・フロント
IRC No.129883 90/80-14 M/C 43P TL

・リア
IRC No.122509 110/90-12 64L TL

この2つがジャストフィット

俺自身は特に欧州メーカー信仰があるわけでもなし、
IRCが小~中型二輪車用や自転車用、車イス用といった、
小規模乗用機器向けバイアスタイヤの分野で活躍している企業だということも知っているけど、
ホンダ・PCXに純正装着されているSS-560系の評判が非常に悪いので、
原二向けスタンダードタイヤに限って言えば、どうしても一抹の不安が拭えないんだよな・・・
公式ページ中程のドライ・ウェット性能評価表の比較対象もSS-560だし、
ドライ状態とウェット状態でテストスピードが異なるし、
16年9月16日時点、ウェット側の表の下部で、「ウェット路面」を「ドライ路面」と誤植しているし・・・
9月25日の時点で、誤植は修正されていました
ひょっとしてこの投稿、関係者さんに見られていたりするんだろうか・・・いや、まさかね・・・

とはいえ、ほぼトリシティ専用と言えるサイズをわざわざラインナップに加え、
下部の走行イメージにもトリシティを登場させているあたりは絶対狙ってやがる気概を感じる
それなりに力を入れて開発して、自信を持ってリリースしたものなんだろうなぁ、と
選択肢が増えることは、ユーザーにとってとてもありがたいことなのは間違いない

純正装着品のチェンシン/MAXXIS製タイヤも"純正タイヤとしては"そう悪くない部類だけど、
次に履き替えるときはおそらくこのモビシティを選ぶことになるでしょう
まだ総行1万kmにも達していないので、だいぶ先の話だけどね
総行13,095kmで履き替えました
くわしくはこちらへ
タイヤ交換完了・トリシティにIRC SCT-001 MOBICITY を装着



※補足1・純正装着タイヤに関する俺の考え方

スポーツ用ハイグリップ品に対して絶対的なグリップ限界が低いのは妥協するとして、
調達原価が安い、トレッドが摩耗しにくいのはもちろん、酷暑下でも熱ダレを起こさないこと、
酷寒下やウェット路面でもグリップ特性の変化が抑えられていること、
トレッドの摩耗進行に見合ったコンパウンド自体の寿命を持っていること、
そして何より、グリップ限界が近づいた場合の兆候がわかりやすく、
そこから本格的にグリップが破綻するまでの余裕がいくらか確保されていること
これらが大切だと思っています

適性温度ではハイグリップでも、その温度域から外れると急に特性が変化するようなタイヤや、
サイドウォールにヒビが出ているのにまだまだ溝が残るようなタイヤは、好きではありません



※補足2・タイヤのグリップに関する備忘録

高校数学や物理ですらパンクするレベルのポンコツ頭なので、
いろいろ間違えている部分があるかと思いますが・・・どうか笑ってやってください

タイヤは一見、接地面の全体が完全にグリップしているようですが、
強い駆動力ないし制動力をかけている、
=接地面に対して輪軸に直角な向きの強い摩擦が発生している状態では、
タイヤの弾性などの影響で、車輪外円周の速度と車両本体の速度に差が生じる
(この差を、車両速度に対する割合として表したのが「スリップ率」)ほか、
路面と変位せず固着している=グリップしている部位と、
路面と相対的に変位している=スリップしている部位が、
共に接地面の中に存在しています
グリップ部位と路面との間には静止摩擦力が、スリップ部位には動摩擦力が作用しています

駆動力・制動力を許容限界に近づけていくと、グリップ部位の静止摩擦力が高まる一方、
接地面に占めるグリップ部位の割合が減っていき、逆にスリップ部位の割合が増えていきます
接地面全体の合計摩擦力を、縦軸が摩擦力、横軸が負荷する駆動力もしくは制動力、
左下が原点で右上がりの線グラフに表すと、
低負荷域は直線的に増加しますが、中負荷域以降では増加率が落ちて曲線を描くようになり、
負荷限界付近では伸び悩みから頭打ちをむかえ、限界を超えると下降に転じます

死重の搭載や空力によるダウンフォースの発生、あるいはブレーキワーク・スロットルワーク、
二輪車の場合はライダーの体重移動によって、タイヤにかかる荷重を増やしてやれば、
垂直抗力の増加と、接地面のグリップ部位からスリップ部位への遷移を遅らせる効果によって、
摩擦力を増加させる=グリップ限界を高める効果が得られます
が、これにもトレッド表面の耐せん断限界などの制約があり、
荷重を2倍に増やしても、摩擦力は単純に2倍になりはしません
こちらもタイヤが許容できる限界に荷重が近づくにつれて、
摩擦力の向上は曲線的になっていき、限界手前では伸び悩むようになります

また、タイヤにかかる荷重や摩擦は、加減速によるものだけではありません
二輪車の場合、例えば高速コーナーリングでタイヤの摩擦力を多く使っている状態で、
スロットルを開きすぎたり、逆に急に全閉したりすると、後輪のグリップが破綻します



※補足3・SS-560の悪評についての考察

実は補足2は前置き、ここからが本題

晴天下でのPCX試乗数回と、各所のレビューを見た・経験した限りでの話ですが、
グリップ限界そのものは、125ccスクーターの純正装着品として標準的なレベルのようです

ただし、グリップ限界前後の摩擦力の変動特性に難があるようで、
接地面のグリップ部位→スリップ部位への遷移が急、
感覚的には「スキール音の発生から間髪を入れず唐突に滑り出す」性格となっており、
これが「とにかく滑るダメタイヤ」という評価に繋がっているものと考えられます
正確には、「限界域付近でのコントロール性がダメ」なのでしょう
摩擦係数が低下しがちな雨天時などは、特に神経質な性格として感じられるのだと推察します

さらに、PCXが余裕のあるバンク角と底力のあるブレーキシステム、
特に強力なフロントブレーキを備えていることが、
余計にこのタイヤの問題点を浮き彫りにしているのではないでしょうか
とりあえず「後輪に低転がり抵抗タイヤを採用しました!」ってドヤ顔しちゃうホンダは、
明らかに付加価値の盛りどころを間違えていると思うよ・・・

※追記
2016年9月20日
投稿タイトル変更、一部追記
2016年9月24日・25日
一部改訂
2016年10月16日
一部修正
2017年4月15日
一部修
2017年8月23日
続編へのリンクを追加