2017/09/09

少しだけ試乗記・ジクサー

乗ってきました
軽いインプレッションです



・動機

前々から好評をよく耳にするこの車種
この前レブルにも試乗してみたことだし、
せっかくだから比較対象として乗ってみようと思い立ちました

・・・が、なぜか近所に試乗車を置いている店が無い

スズキのサイトで検索すると、
一番近い店まで最短コースで150km以上・・・!
一部道路を迂回する必要があるトリシティの場合はさらに・・・!

というわけで、半ばツーリングとなってしまいましたが、
早起きして行ってまいりました



・初見での印象

想像よりは大きいけれど、まだコンパクトの枠内
ちょうどいいサイズと軽快さのあるスタイリングだな、というのが第一印象です
この排気量帯の前後で、
本邦でもよく見かけるネイキッド車からライバルを挙げて比較するならば、
グロムやZ125よりも堂々としていて、
YBR125よりもだいぶ垢抜けていて、
125DUKEよりも優しく雅な造形だと思います

調整の容易なアクスルピンチ式ではないフロントフォークのアウターチューブ、
複雑な造形に見えて実は全面樹脂カバーの燃料タンクなど、
性能に大きく絡まない部分では、
250cc級の車種と比べてコストダウンが目立ちますが、
125cc+αクラスのシャシーとしては標準的な仕様と言えるでしょう

その一方で、性能に直結する部分に関してはクラスを超えている印象です
本家インドのジクサーは、燃料供給はキャブレター、
リアドラムブレーキ、現地ブランドのタイヤ、という仕様だそうですが、
日本仕様のジクサーはエンジンとブレーキに対して大きくテコ入れがされており、
燃料供給はインジェクション、リアディスクブレーキ、
そして本邦製のダンロップブランドタイヤという強化仕様
おまけにリアタイヤはなんとラジアル構造、気合が入っています
スズキ式の割り切りとリソースの集中が効いていますね

作り分けの都合からか、
ブレーキキャリパーが前後で別メーカーなのがちょっと不思議です
フロントがバイブレ、リアがニッシンでした
微妙に漂う変態の香り・・・いえ、褒め言葉ですよ?

一見してもしげしげと眺めても、
希望小売価格35万円弱のバイクには見えません
最初に記述した通り、小さすぎず、大きすぎない
適度に凝縮された存在感のある佇まいです



・エンジン始動~発進

応対してくださった整備員さんも、
遠方から試乗に来たことに驚いておられました
土地勘が無いことを相談し、おすすめの試乗コースを先導していただくことに
市街地と河川敷に8の字を描くルートで、時間は1周15~20分程度
カーブ・交差点あり、長めの登坂路あり、見通しのよい直線あり

車体を起こし、よっこらせ、っと足を上げて跨ります
足着き性への配慮は割り切られているようで、シートがやや高め
目一杯後ろに腰を下ろした状態のトリシティよりも足が着かないので、
少し不安を感じました
リアサスがそれなりに沈むことと、車体が軽いのが救いです

スピードメーターは一見シンプルですが、回転計なども備える高機能なもの
液晶画面はともかく、その周囲に配置されたインジケーターランプ類は、
少々雑然としていて、表示が見にくい気がします
ギアポジション表示も、もう少し大きいほうが好ましいかな・・・

ハンドルのスイッチボックスは非常にコンパクトな造り
トリシティのスイッチ類は割と大ぶりなので感覚の違いに戸惑いましたが、
慣れたら素早く確実な操作ができるはずです

軽いタッチのクラッチを握り、エンジンを始動
チェンジペダルも軽く、カチカチと気持ちよくギアが入ります
さあ、整備員さんのVストローム250に続いて発進です



・試乗コース上にて

・・・軽い!
元気がいい!

引き起こしや停止状態でも感じた軽さですが、
動き出したらさらに軽々としています
加減速も軽快ならば、旋回もまた軽快、
フェザー級という表現がしっくりきます
でもニーグリップがしっかり決まるので、全く怖さはありません

シート高が一転してポジティブな方向に作用しており、
高いアイポイント、適度な前傾姿勢、
硬めでそこそこ広い座面による快適な座り心地で、運転していてとても楽

「キュルン、キュルルン」という軽快で静かなエンジンのリズムが、
スロットルを大きく開けると、「ビュオン!ビュオォン!」という、
とても元気なものへと大きく変化します
ロングストローク型とのことですが、
振動は全回転域で少なく、滑らかに回ります
排気量の割にトルクが太く、ほとんどクラッチ操作だけで発進したり、
登坂でトップギアのまま、60km/hを余裕をもって維持することが可能でした
ここでも前述したシャシーの軽さが効いているのでしょう
この爽快な瞬発力、レブルやトリシティとは違うベクトルの心地よさです

トコトコゆっくり流してもよし、ぎゅんぎゅん振り回してもまた楽し
実用車とスポーツ車、それぞれの長所を足したのに2で割り忘れたら、
きっとこんな印象のバイクになるのでしょう
まるで「もっともっと走ろう」と、ジクサーが訴えてくるようです

・・・ごめんよ、もうコース走り切っちゃった



・その他

試乗車は「わ」ナンバー、つまりレンタカーを兼ねていました
クレジットカードを持っているならぜひお借りしたいところだったのですが、
残念ながら、そんな神器を持てるような身分ではないもので・・・
デビットカードが関の山のTriKaiはあきらめざるを得ませんでした
※レンタルバイクは信用情報の絡みで、クレジットカード払いのみOK、
デビットカードおよび現金での支払いは不可、というところが多い

TriKaiの地元に試乗車が配備されていない件については、
おそらくインド本国での人気ぶりと、
日本市場への割り当て数の問題だろうと、
整備員さんは予想なさっていました
本邦でも当初予測より人気が出ているそうで、
品薄が続いているとのことです

乗りやすいバイクを探しているならば、
GSX250Rも試してみるとよいというアドバイスをいただきました
少々大きめ・重めで、
他社の250ccフルカウル車と比べると大人しい性格だそうですが、
日常での扱いやすさに関しては太鼓判を押せるそうです
試乗車を探してみようかな・・・

購入予定もなく試乗だけするのも心苦しいので、
何かスズキグッズを購入して帰ろうと思ったのですが、
残念ながらその手のものは店頭に在庫していないとのことでした・・・
今度近所に立ち寄る機会を得たら、菓子折りを持っていこう



・まとめ

乗っていてとても楽しい!
それでいて扱いやすく、日々の足として十分に使える

唯一、シート高だけは乗り手を選ぶ要素となっていますが、
それでも並のオフ車程度の足着きではあります

スズキ渾身のファンバイクでした
これは好評なわけだ・・・!
たぶん、ABSを装着して40万弱に値上げしたって引きがあるぞ

※追記
2017年9月10日
ちょこちょこと改稿