2016/12/02

失敗事例・トリシティ、滑りゴケの巻

恥ずかしながら、以前の立ちゴケに続き、
またしてもトリシティを転倒させてしまった

軟弱な路面で発進させた際、不意の後輪空転から右にスリップ、
左に転倒した具体的事例を、ここに書き残す



・状態

ライダー:
身長173cm、体重70kg弱
少々急いでいた

トリシティ:
総行8000km超
純正タイヤ装着
燃料残量約4L
メットイントランク内に約2kgの積載物あり



・現場写真

以下は転倒後、引き起こし直後、点検中に撮影したものである








・経過

1.
草地駐車場の隅、やや泥が露出した場所に駐車した

2.
用事を終え、乗車し、発進
路面が軟弱なことは把握しており、
スロットル操作には注意を払っていた

3.
後輪が空転し、リアが右に流れた
スロットルを戻し、カウンターステアを切ったが、
クラッチが繋がってしまい、空転が収まらなくなる
そのままどんどんリアが右へと流れ、車体は左へとバンクした

4.
クラッチを切るため、後輪ブレーキをかける
空転を収めて停止できたものの、
乗車状態の腕力のみで引き起こすことはできないバンク角となっていた

5.
ゆるやかに左メインスタンド部とVベルトカバーを接地させ、
その状態を保持してメインスイッチをキル、エンジンを停止

6.
そのままゆっくりと左に倒し、
ハンドルグリップとブレーキレバーを接地させ、安定させた後、
一度車体から離れた

7.
車体を引き起こし、ハンドル周りの泥を拭い、
各部の点検をおこなった
ブレーキレバーやミラーを含め、目に見える損傷は無かった

8.
路面が固い場所まで移動
およそ5分間待ち、エンジンを再始動
各部を再点検の後、発進した



・反省点と対策

路面状況に対する見積もりが甘く、
スロットル開度が過大となり、盛大に空転
その後の修正操作も遅れてしまった

結果的には軽微な自損事故、ライダー自身も無事で済んでいるが、
ライダーの判断ミス・操縦ミスに起因する暴走であることに違いは無い
周囲に人がいた、あるいは物があった場合には、
人身事故・物損事故に発展していた恐れもある

励行すべき安全対策は、以下の3つである

1.
路面が軟弱な場所には駐停車しない

2.
もし駐停車した場合は、
路面がしっかりとした場所まで移動させてから乗車、発進する

3.
やむを得ず軟弱な路面から発進する場合は、
後輪空転をすぐに収められるよう、
あらかじめ後輪ブレーキレバーを引いて遊びを無くしておき、
スロットル操作にも一層の注意を払う



・備考

低圧化したブロックタイヤを履かせるなどして、
接地面圧を下げつつ摩擦力を確保すれば、
このような路面での走破性は向上すると思われるが、
一般舗装路の走行と両立させるには、
摩擦力や耐荷重性、耐摩耗性の不足を考慮する必要がある

純正タイヤを履かせた後輪の場合、
想定体重55kgの人間がタンデムした際の耐荷重余裕は約40%
各々の体重、自分の場合は70kg弱だが、それに応じて、
単独乗車時の荷重余裕を同等以上にするのが目安となるだろう
標準タイヤの荷重指数と、前後輪軸への重量配分については、
ユーザー向け取り扱い説明書を参照