2016/02/05

2ヶ月試乗モニターと、トリシティの弱点

えーっと、またやるの?
http://www.yamaha-motor.co.jp/mc/scooter/tricity/special/try2016/index.html

トリシティがとてもよくできた乗り物だということは、実用している身として保証する
興味のある方、ある程度の期間試乗してみたい方はぜひ応募してみてほしい(ステマ)

ただトリシティのキャラクターは、
「そこいらの二輪車よりも運動性に優れたシャシーに、スクーターとして最低限の機能性」
といったものであって、万人向けか、特に初心者に最適かと問われると、
必ずしもそうではないと思う

おそらくトリシティ最大の泣き所が、悪く言えば中途半端なこの性格
スクーターに求められる性能は大抵の場合、最大化された利便性であって、
ロードスポーツ並みの運動性能というキャラクターは理解されにくい、という点

スクーターをもっぱら道具として考える層からは、
「重くてデカい」
「価格が高い」
「普段使いに便利な小物も少ない」
と見られがち

逆にバイク好きな層からは、
「スクーターなのに足が伸ばせず、ラゲッジスペースもメット1個分しか無い」
「125ccでは出力不足」
「そもそも3輪である必要性はどこなのか」
と評価されがち

実際には、接地面積と耐荷重性を稼ぎつつ、
前輪を細くできることのメリットは絶大
欧州のハイホイールスクーターに多い足を下に落とす乗車ポジションも、
いわゆるソファスクーターとは方向性が違うだけで、慣れてしまうと快適
足付きに関しても、250ccのMTスポーツ車を支えられる方ならば問題は無い

何より走行性能と乗車姿勢の良さがよく練られたシャシーに、
スクーターとしての機能まで盛り込むのはなかなか難しかったはず
メットイントランクはたかがヘルメット1個分、されどヘルメット1個分
後頭部やチンガード・フェイスシールド下端の張り出しが巨大なものでなければ、
帽体がそれなりに大きい品でも、大抵は無理なく収めることができるのは美点だ
メットインの容積が大きくても内部の形状が悪く、
これができないスクーターは案外多いようだ

理屈の上でも実際に乗ってみても、
よくできた乗り物だという感想は揺るがない

しかし実用系スクーターには利便性で及ばず、
モーターサイクルとしてはイロモノ扱いされがちという現状はどうしようもない
性能的には初心者でも大丈夫だと言えそうだけど、
ライトユーザーには向かないというか・・・
また守備範囲が広いのは確かだけど、
スクーターとMT車の2台所有と比べると・・・うーん・・・

トリシティ、LMWシリーズは、
このあたりに注意してアップデートされていくべきではないだろうか
モニターキャンペーンをやるなとは思わないけど、
普及を狙う上で先に解決すべき課題はたくさんあるのではないかと思う

いくつか希望を述べるなら、ボディの絞り込みで足つき性を改善する、とか
コンビニフックの耐荷重性をもう少し強化して外れ止めを付ける、とか
グラブバーに荷物ネット用のフックポイントを設ける、とか

さすがにリアサスにプリロード調整機能をつけてくれ、とまでは申しません
いえ、申してませんよ

このくらいなら、価格はともかく、車体サイズはそのままでいけるんじゃないかな
あれやこれやと詰め込んでいくと、両要素ともあっという間に怪物級になるからな・・・

とりあえず免許取得キャンペーンのほうは、
http://www2.yamaha-motor.jp/mc/campaign/tricity-license/
せめて他の原二ラインナップ、特にNMAXと選択できるようにしたほうがいいよ・・・
あっちもシャシー含めてかなり出来がよさそうなんだし

見かける台数が増えるのは、乗り手としてはそりゃ嬉しいけどさ

※追記
2016年10月4日
一部加筆・訂正
2016年12月3日
一部改訂