12V電装採用(1986年7月)以降の、比較的新しいモデルたちについて
C70/HA02型 スーパーカブ70/90シリーズ
交流系統と直流系統が混在している
ヘッドライト、テールランプ、およびメーター照明は、ACジェネレーターの灯火線から供給され、レギュレート・レクチファイアによって制御される交流で作動
制御電圧は5,000rpm時・アナログテスター読みで10.5-14.5V
デジタルテスターの場合は10.3-14.3V
ストップランプ、ウインカー、ニュートラルランプなどは、ACジェネレータの充電線から供給され、レギュレート・レクチファイアとバッテリーを介した直流で作動
整流方式は単相半波整流・半波短絡式
制御電圧は14-16V、充電電流は上限0.5A
いずれも5,000rpm時
点火方式がマグネトー/AC-CDI式のため、ACジェネレーターの点火線から出力された交流が、CDIへと直接供給されている
JA07型 スーパーカブ110シリーズ
FI化に伴い、電装の仕様が一新された
点火方式はバッテリー式へと改められた
ACジェネレータからの出力線は、アース線を除き、レギュレート・レクチファイアへと繋がる1本のみとなった
レギュレート・レクチファイア以降の全系統が直流で作動
整流方式は単相半波整流
ただし、交流電圧の正の範囲と負の範囲を個別に半波整流し、正の範囲を整流したものをバッテリー充電系統へ、負の範囲を整流したものを恒常的に点灯する灯火へと供給する、独特な構成となっている
すなわち、ヘッドライト、テールランプ、およびメーター照明の三か所は、バッテリーなどの平滑化機構を介さず、レギュレート・レクチファイアから直接供給される脈流にて作動する
またアース側の0Vに対して入力側にマイナスの電圧が印加されており、電流の向きはアース→入力となる
このため、入力側にプラスの電圧が印加される一般的な仕様のLEDバルブの場合、ただ装着しただけでは正常に点灯しない
交流対応回路のものも、整流用ダイオードの極性の問題でアウトとなる場合が多い
また、バッテリー電源での使用ないし平滑化機構の存在を前提として設計されたバルブでは、脈流の最大電圧に耐えられず、すぐに故障する可能性が高い
一応の解決策として、車体側への加工によるバッテリー電源化が流行した
ただし半波整流のままではデメリットも考えられる
最近では整流回路にブリッジダイオードを採用することで、車体側への加工無しで正常に点灯する製品も販売されているが、シンプルな回路の製品に対してやや高価である
JA10型 スーパーカブ110シリーズ
基本的にはJA07型を踏襲している
テール&ストップランプのソケットが、ウェッジから口金に変更された
また、ライセンスランプがテールランプ別体となって独立した
JA44/JA42/JA45型 スーパーカブ110シリーズ
ヘッドライトのLED化に伴い、電装の仕様が再度変更された
レギュレート・レクチファイア以降の全系統が直流で作動する
整流方式は単相半波整流・半波開放式
バッテリー電圧が正常な場合、イグニッションスイッチをONにすると、ポジションランプ(ヘッドライト下側左右)とテールランプ、メーター照明が、エンジンの始動前から点灯するようになった
このため、入力側にプラスの電圧が印加される一般的な仕様のLEDバルブの場合、ただ装着しただけでは正常に点灯しない
交流対応回路のものも、整流用ダイオードの極性の問題でアウトとなる場合が多い
また、バッテリー電源での使用ないし平滑化機構の存在を前提として設計されたバルブでは、脈流の最大電圧に耐えられず、すぐに故障する可能性が高い
一応の解決策として、車体側への加工によるバッテリー電源化が流行した
ただし半波整流のままではデメリットも考えられる
最近では整流回路にブリッジダイオードを採用することで、車体側への加工無しで正常に点灯する製品も販売されているが、シンプルな回路の製品に対してやや高価である
JA10型 スーパーカブ110シリーズ
基本的にはJA07型を踏襲している
テール&ストップランプのソケットが、ウェッジから口金に変更された
また、ライセンスランプがテールランプ別体となって独立した
JA44/JA42/JA45型 スーパーカブ110シリーズ
ヘッドライトのLED化に伴い、電装の仕様が再度変更された
レギュレート・レクチファイア以降の全系統が直流で作動する
整流方式は単相半波整流・半波開放式
バッテリー電圧が正常な場合、イグニッションスイッチをONにすると、ポジションランプ(ヘッドライト下側左右)とテールランプ、メーター照明が、エンジンの始動前から点灯するようになった
少なくともこの3箇所はバッテリー電源となっている
テールランプとメーター照明のLED化は手軽であると言える
なお、バッテリー電圧が不足の場合は、負荷カットリレーの作用によって、これら灯火への電力供給がエンジン始動まで遮断される
一方、ヘッドライトのロービームおよびハイビームは、バッテリーを介さず、レギュレート・レクチファイアから専用線で直接供給される電力で作動する
アース線もフレームアース系統とは独立した専用のものが用意される
テール&ストップランプのソケットが、再びウェッジへと変更された
※追記
2025年2月9日
改訂
テールランプとメーター照明のLED化は手軽であると言える
なお、バッテリー電圧が不足の場合は、負荷カットリレーの作用によって、これら灯火への電力供給がエンジン始動まで遮断される
一方、ヘッドライトのロービームおよびハイビームは、バッテリーを介さず、レギュレート・レクチファイアから専用線で直接供給される電力で作動する
アース線もフレームアース系統とは独立した専用のものが用意される
テール&ストップランプのソケットが、再びウェッジへと変更された
※追記
2025年2月9日
改訂