2018/03/25

メモ・スーパーカブ110系の慣らし運転方法

JA07、JA10、JA44/42/45
つまりはFIシステム・4速ミッション・2段クラッチ導入以降の国内仕様カブ110について

慣らし運転のコツというよりは、
慣らし終了後も気を付けるべき取り扱いの作法のような気もする
一部はカブに限った話ではない



1.
特にその日最初の始動時、暖機運転は必ず実施する
逆に、一度温まりきったエンジンを長々とアイドリングさせてはいけない

時間の目安は完全に冷えた状態からなら3~5分、
再始動時などある程度温まっている状態からなら1~2分
ECUの初期暖機完了判断で、アイドル回転数が落ち着く程度までおこなう

温まった状態でピストン周りの各部クリアランスが最適になるうえ、
最初の始動時はエンジンオイルが下がりきっているため、
暖機前に回転を上げることを繰り返すと、
ピストンの首振りによるシリンダーの異常摩耗や、
ブローバイガスの増加によるオイルへの悪影響に繋がる

一方で強制空冷車・水冷車ほどオーバーヒート耐性が高くないので、
ホットになったエンジンを走行風に当てずに回し続けてはいけない



2.
エンジン回転はオーバーレブにならない程度まで上げていい
むしろハイギア・低回転のままで無理に低速走行してはいけない

レシプロ式内燃機は、少々のオーバーレブよりも、
低回転時に無理やり大負荷をかけた場合のほうが大きなダメージを受ける

後述のギア周りの慣らしも兼ねて、
しっかりシフトダウンしたほうが、エンジンに余計なストレスを与えずに済む



3.
変速機の慣らしを意識する
できる限り、すべての変速段を満遍なく使う

どうしても巡行時に多用する3・4速ばかり慣らしが進みがちだが、
意識的に1・2速もきちんと使うことで、
すべてのギア、およびチェンジ機構の噛み合わせをスムーズにできる



4.
2速発進はおこなわない

発進用に使われているシュー式クラッチは、
容量があまり大きくないうえ、外部からの調整ができない
2速以上での発進を多用すると、早期に摩耗して滑り出す恐れがある

一部メディアでは1速が低すぎるとして2速発進の常用を推奨しているが、
機械的な寿命を考えるならばやるべきではない



5.
ブレーキパネルの基準位置出し、
およびブレーキシューのセンター出しはきちんと実施する
そのうえで、シューとドラムの馴染みが出るまでは急制動を控える 

馴染みをよくする手段としては、
サンドペーパーによるシューライニングの角落としが実施されるが、
むしろパネルとシューの初期位置を出すことが優先
ドラムブレーキにありがちな、
ブレーキをかけた瞬間の異音を抑制する効果もある

具体的な方法については、またいずれ