2017/09/17

インプレッション・トリシティ125 × SCT-001モビシティ ~雨天下の街乗り、郊外→都市間プチツーリング編~

ひとつ前のインプレはこちらへ
ドライ路面でのワインディング編

どしゃ降りのレインコンディション下、
実家から自宅まで走る機会がありました
片道約40km、田舎町からバイパスを抜けて、市街地へと入るコース

いやあ、どちらかというとトリシティやモビシティよりも俺にとって過酷なテストでしたよ・・・



恐怖・河川敷そばの狭小踏切

出発してすぐ、河川敷の堤防沿いを走るローカル線の踏切を渡るのですが・・・

・面している道路が片側1車線なのにもかかわらず、
踏切幅が車1台分しかないため、
優先順序に合わせてタイミングよく停止・発進して進入しなければならない

・アプローチが鉄板敷き、当然滑りやすい

・平行に走っている川側・堤防上の道路が、
線路よりも高い位置にあるため、
進入直前に下り坂で停止、
もしくは脱出直後に上り坂で旋回しながらの加速を強いられる
つまりは先述の鉄板の上で、である

という、いきなり高難度な道が・・・
四輪車はともかく、二輪車にとってはなかなか怖い場所です

純正タイヤ履きのトリシティの場合も、特に陸側から川側へと渡る際、
登りながら倒し込みつつスロットルを開けると、
どうにも嫌ーな感触が、リアタイヤから伝わってきていました
本来は徐行すれば大丈夫なはずなんですが、
踏切からの脱出&大抵は他の交通が待機しているという状況なので、
あまりモタモタしている暇はありません

さて、モビシティ履きのトリシティならば、どうか
出発直後の降雨状態、タイヤの温度も上がっていないシビアな条件ですが・・・

(停止・周囲確認)よし(発進)・・・(脱出、左へバンク)んー、ん?

さすがに滑っている感触が少しありましたが、
純正タイヤに比べると挙動が穏やかな気がしました
いつもよりも恐怖を感じなかったぞ



荒行・轍のあるツギハギバイパス

制限50km/h、実際の最左車線は約60km/hで流れているバイパスを、
やや速度を控えめに、雨に打たれながら転がします

重量級の車両が多く往来するせいで、路面には轍ができています
再舗装も頻繁におこなわれているため、ツギハギもたくさん
おかげでどこそこに水溜まりが・・・

純正タイヤの場合、轍上の長い水溜まりの上で軽く尻を振ってみると、
トレッドのセンターがスリックに近いからでしょう、
リアタイヤが少し浮くような感覚がありました

モビシティはどうでしょうか?
後続車がいないのを確認して、お尻をふりふり・・・おお?
接地感が崩れません、これははっきりとわかりました
トレッドセンター部の大きなグルーヴが、
効果的な排水能力を発揮しているようですね

そんな結果が気に入らないのか、
雨はますます大粒になっていきます・・・
大型トラックの巻き上げる水飛沫も浴びながら、
市街地目指してひたすらに走ります



鬼畜・マンホールだらけの住宅地カーブ

都市部辺縁の住宅街に入りました
見通しのあまりよくない道を、注意して走っていきます

丘陵に沿って道路が敷かれている関係で、
アップダウンを伴う緩いカーブが連続します
そこに住宅地のお約束、無数のインフラ整備用マンホールが・・・
ひどい箇所だと、登りのカーブ中に、
絶対に避けられない配置で、5~6つも・・・

しかしさすがはトリシティ
各種の販促資料で示されているとおり、
フロントは絶大な安定感があります
左右両輪がマンホールに乗ってしまうとさすがに挙動が乱れますが、
それでも一般的なスクーターに比べると遥かにマイルドなもので、
どちらかがマンホール上を脱出すればすぐに落ち着きます

問題は平凡なリア
こちらはモビシティの安定性が光ります
さすがに晴天時同等とはいきませんが、
少々の駆動力・制動力をかけた状態でも、
純正タイヤより穏やかな挙動を示します
狭小踏切の通過時とほぼ同じですね
フロント側の安定性とのバランスもよく取れており、
無茶をしなければ怖さはありません

もともと摩擦係数が低い路面では、グルーヴによる排水能力よりも、
コンパウンド自体の摩擦力がモノを言いますが、
そこはIRCの謳い文句どおり、
ライフを維持しつつも改善が図られているのでしょう



世紀末・ツルツル金網のある交差点

市街地に入りました

・・・交差点の左折ルート
ちょうど二輪車が通る位置に大きな排水口があり、
何の滑り止め策も施されていない、表面つるっつるの金網が上に・・・
なんだよこれ・・・!

その威力たるや凄まじいもので、純正タイヤの場合、
高い安定性を誇るはずのトリシティのフロント二輪が全く役に立たず、
最徐行での進入でも恐怖を感じるレベルでずるりと滑り、
同時にステアリングをグリっと振られる
当然、リアタイヤの接地感なんてものは皆無
さらに状況次第では晴天下のドライコンディション時でさえも、という・・・

これ、仮に転んだとしても、タイヤやシャシーのせいじゃないよ・・・

厳しい開発テストを繰り返したはずの、
ヤマハ発動機&チェンシン/MAXXISの中の人、そしてIRCの中の人でさえ、
自社の製品がこんな道に見せかけた罠の上で、
使用されることになるとは想定していなかったことでしょう
せめて滑り止め付きの網に交換してくれぇ!

ちなみに新聞屋さんや郵便配達員さん、酒屋さんは、
秘儀・二輪二足走法で走破なさっています
やっぱりビジバイは最高だな!

もはや避けて通る以外の選択肢は無いような場所ですが・・・
・・・細心の注意を払って、最徐行して走ってみましょう

・・・・・・・・・・

うん、やっぱりタイヤの問題じゃないや
雨天時は二度と通るまい



そして到着・・・いかがでしたか?

モビシティ、取り立ててハイグリップというわけではありません
当然ながら、ドライコンディション時に比べて抑えた運転が必須です

しかし、雨天下で考え得る多くのシチュエーションで、
落ち着いた挙動を示すのは大きな長所だと思います

ただでさえ激しい雨天走行時のストレスを緩和してくれるタイヤ
そんな印象を受けました

次回はひとまず最終回
朝霧の中のワインディング編

※追記
2017年10月18日
完成