2017/08/30

インプレッション・トリシティ125 × SCT-001モビシティ ~慣らし走行編~

前の投稿、交換時の諸費用などはこちらへ

ぼちぼち、本格的にインプレッションを書いていこう



唐突ですが、タイヤの慣らしは、
ただ皮むきをする=表面のワックスを落とせばそれでいい、
というものではない、と思います
新品のタイヤは、トレッド以外の部位の馴染みも出ていないからです

ビードがリムに馴染み、加減速や衝撃によってカーカスが揉まれ、
サイドウォールとトレッドが十分な柔軟性を得るまでが、慣らしの期間

距離で言えば最低300kmは走り込み、
ある程度特性が落ち着いてからでなければ、
タイヤの評価はできないというのが、俺個人の意見です

加えて、交換前のタイヤがどの程度劣化・摩耗していたかも考えるべきです
古いタイヤ → 馴染みの無い新品タイヤ → 馴染みの出た新品タイヤ
この過程で、タイヤの設計以外の要素が絡み、
特性が微妙に変化していくことを考慮しなければ、
インプレッションを書いても比較として微妙なものになってしまうでしょう



・・・で、300km超までしばらくはかかるだろうと考えていたら、
思いのほか出事が多く、あっという間に走破してしまいました

路面状態は主にドライ、2日だけ降雨によるウェットコンディション
短制動のテストおよび実践、降雨下での本格的なワインディングは、
まだ経験していません

冷間時の空気圧は説明書の指定どおりです

交換前のタイヤは純正装着品、交換時の走行距離は約13,000km
前輪はほぼ使用限界、後輪もそれなりに摩耗が進んだ状態でした

今回は、慣らし中の特性の変化と、
その最中に気になった点にスポットを当ててインプレを書きます



初期型トリシティ125とSCT-001モビシティの組み合わせの場合、
交換直後のコーナーリングでは、
スロットル閉~半開の領域で強く倒れ込む一方で、
スロットルを開けると逆に強く起き上がろうとする傾向が顕著でした
タイヤ全体がまだ硬く、また偏平に摩耗していた純正タイヤに対して、
クラウンが尖っていたことが原因でしょう
およそ100km走らせたころには、これらの挙動は概ね落ち着きました

それでも純正タイヤと比べると、
スロットル全開状態での立ち傾向はわずかに強いようです
直進と倒し込みは純正タイヤと特に変わりませんが、
定常旋回中と立ち上がり加速ではやや安定志向のタイヤと感じます
スロットルのオンでしっかり踏ん張るので、
ワインディングではコントロールが楽です



今のところ、気になる点は2つ

ひとつは高速での走行時にわずかな振動が出ること
ブロックタイヤを履かせたバイクよりは遥かに大人しいものですが、
それに近いコココココ、といった感覚があります

これはおそらく、排水性を上げるべくトレッド中央付近にまで掘られた、
深めかつ大きめのグルーヴが原因だと思われます
使用・経年による変化には注意しておくべきでしょう



もうひとつは深いバンク時に、
メインスタンドが接地する回数がやたらと増えたこと
もちろん高速カーブなどでガリガリ擦るほどスピードを出したりはしていません
主に交差点での小回りや、クイックなUターンをおこなった際の話です

ノーマルのトリシティはバンクさせていくと、
左右ともまずはメインスタンドの石突が接地します
タイヤに関わらず、そこまでバンクさせても特に恐怖は感じないのですが、
古い純正タイヤに比べると、アスファルトを引っ搔いてしまうことが妙に増えています

原因として考えられるのは、クラウン・ショルダー形状の違い、
バンク限界付近での安定性の差による余裕など、でしょうか
純正タイヤよりも許容できるバンク角が増え、
結果として自然に深く寝かせることができているなら大したものですが、
いずれにせよ、運転上の自重と経過観察が必要ですね



次回へ続く
ツーリング記の後編も兼ねています
インプレッション・トリシティ125 × STC-001モビシティ ~ドライ路面でのワインディング編~

※追記
2017年9月2日
続編投稿へのリンクを追加