2015/04/05

ブレーキ

少し前にABS装備モデルが追加されたトリシティである
無いなら無いでもいいのだけれど、例えば雨天の市街地などでとっさの急ブレーキをかける、
あるいはそれから即座に回避運動へ移るような事態を考えると、心強い装備だと思う

一方でABS未装備のトリシティには、
メーカーが Unified Brake System と称する前後連動ブレーキが装備されている
ちなみにABS装備車にも、このUBSは存置されている

後輪側のブレーキ系統にイコライザーを設けて、
後輪ブレーキレバーが一定以上握り込まれた際に、握力の一部を前輪側へと分配している
左右のブレーキレバーを均等な力で握り込むだけで、
前を強め・後ろを弱めという理想的な塩梅でブレーキが作動する

この手の装置で有名なのは、ホンダのコンビブレーキ(Combined Brake System , CBS)だろう
フロントディスクブレーキ車の場合、最近のものは3ポットのキャリパーを採用して、
前ブレーキ操作でそのうちの2ポットを、後ブレーキ操作で1ポットを作動させている

トリシティのUBSはそこまで凝ったシステムではなく、キャリパーは1ポット×3輪で、
後ブレーキレバーと前マスターシリンダーをケーブルとリンクで結び、
後レバーをある程度握ると、前シリンダーがわずかに作動する仕組みになっている

このため後輪ブレーキを使うと、前輪ブレーキレバーの遊び量が変化する
また両レバーを握り込んだ状態から、さらに前輪ブレーキレバーへ力を込めると、
後輪ブレーキレバーに生じている反力がわずかに抜ける
乗り出しからしばらくは、これに違和感を覚えるユーザーがけっこういるようだ

ほかに多くの方が気にすることと言えば、
後輪ブレーキを単独で使いたい場面での操作性だろうか
自分の場合、少なくとも今のところは、狭小路でのUターンなど、
後輪ブレーキを積極的に使う状況で困ったことは無い

腕に覚えのある乗り手からは不用品扱いされることも多いこの手のシステムだけど、
基本的に万人が乗るコミューターで、前後の重量配分がスクーターよりも通常のバイクに近い、
つまり後輪への荷重が前輪比で軽いトリシティにとっては、そこそこ有効な装置だと思う



ちなみにパニックブレーキなどで、
よく粘るフロントへと過度に荷重が偏ってしまうと・・・

分析と考察・トリシティが転倒する様子
http://trikai.blogspot.jp/2017/09/blog-post_7.html

なぜ、ヤマハのスクーターラインナップの中で、
トリシティシリーズだけが前後連動ブレーキを装備されているのか
その答えがここにあるような気がする
おそらくはリアタイヤへの過剰な制動力を緩和して、
安定性を保つことが目的なんだろうな

やっぱりABSはあると安心だね
主にフロントじゃなくてリアに、ってところがちょっと特殊ですけど



※追記
2016年10月8日
一部加筆
2016年10月20日・21日・22日・23日
加筆訂正
2016年10月24日
記事が冗長となったため、要点を残して一部を削除
2017年10月18日
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